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栄養学

「飲むコラーゲン」は肌に効く?最新レビュー論文が示す効果と賢い付き合い方

📄 Oral Use of Collagen Supplements in Dermatology.

✍️ Haralović, V., Sjerobabski Masnec, I.

📅 論文公開: 2025年1月

コラーゲン スキンケア アンチエイジング サプリメント 栄養

3つのポイント

  1. 1

    加水分解コラーゲンサプリメントの経口摂取は、肌の水分量や弾力性を改善する可能性が研究で示唆されています。

  2. 2

    特に魚の皮などを原料とする「マリンコラーゲン」は、高品質な供給源として期待されています。

  3. 3

    効果には個人差があり、アレルギーのリスクや製品の品質にも注意が必要なため、過度な期待はせず、補助的なケアとして捉えることが大切です。

論文プロフィール

  • 著者名: Haralović, V., Sjerobabski Masnec, I.
  • 発表年: 2025年
  • 調査対象: 経口コラーゲンサプリメントに関する既存の複数の研究
  • 調査内容: コラーゲンサプリメントの経口摂取が、皮膚の健康(水分量、弾力性など)に与える影響についての科学的知見をまとめたレビュー

エディターズ・ノート

「飲むコラーゲン」は本当に効果があるの?という疑問は、美容に関心のある多くの方が一度は抱いたことがあるのではないでしょうか。

今回は、コラーゲンサプリメントの皮膚への影響をまとめた最新のレビュー論文をもとに、その科学的根拠(エビデンス)と、私たちの日常生活での賢い付き合い方を探ります。

研究の概要

この論文は、特定の参加者を集めて実験を行う研究ではなく、これまでに発表された複数の研究結果をまとめて、コラーゲンサプリメントの効果を包括的に評価した「レビュー論文」です。

論文によると、紫外線や加齢によって肌のコラーゲンが減少すると、しわや乾燥、弾力性の低下につながります。

肌の状態とコラーゲン量の関係(概念図) 0 18 36 54 72 90 コラーゲン量(イメージ) 90 健康な肌 45 ダメージを受けた肌
肌の状態とコラーゲン量の関係(概念図)
項目 コラーゲン量(イメージ)
健康な肌 90
ダメージを受けた肌 45
肌の状態とコラーゲン量の関係(概念図)

研究では、アミノ酸に分解されやすい「加水分解コラーゲンペプチド」という形でコラーゲンを摂取すると、肌の水分量や弾力性が改善する可能性が示唆されています。特に、魚由来の「マリンコラーゲン」は高品質な供給源として有望視されています。

ただし、効果には個人差があることや、アレルギーなどの潜在的なリスクも指摘しており、多角的な視点からコラーゲンサプリメントを評価しています。

🔍 「コラーゲンは食べてもアミノ酸に分解されるだけ」は本当?

「コラーゲンを口から摂取しても、胃腸でアミノ酸に分解されるから肌には直接届かない」という話を聞いたことがあるかもしれません。これは半分正しく、半分は最新の研究を見過ごしている可能性があります。

確かに、摂取したコラーゲンの多くはアミノ酸に分解されます。しかし、一部は「コラーゲンペプチド」という短い鎖のまま血中に取り込まれることがわかってきました。

このペプチドが、肌の線維芽細胞(コラーゲンを作り出す工場のような細胞)に「もっとコラーゲンを作って!」という指令を出す「スイッチ」のような役割を果たすのではないか、と考えられています。つまり、材料を補給するだけでなく、生産を促す効果も期待されているのです。

日常への活かし方

この論文から、コラーゲンと上手に付き合うためのヒントを3つご紹介します。

1. サプリメントは「補助輪」と考える

研究では有望な結果が示されていますが、サプリメントはあくまで食生活の補助です。過度な期待はせず、バランスの取れた食事や十分な睡眠といった基本的な生活習慣を整えることが大前提です。

もしサプリメントを試す場合は、研究で多く使われている「加水分解コラーゲンペプチド」という形態のものを選ぶと良いかもしれません。

🔍 サプリメントを選ぶときの注意点

コラーゲンサプリメントを選ぶ際には、いくつか注意したい点があります。

  • アレルギー: 特に魚由来の「マリンコラーゲン」は、魚アレルギーのある方は避けるべきです。また、牛や豚由来の製品もありますので、ご自身のアレルギー情報を確認しましょう。
  • 品質と添加物: 製品によっては、糖分や不要な添加物が多く含まれていることもあります。成分表示をよく確認し、信頼できるメーカーの製品を選ぶことが大切です。
  • まずは少量から: 初めて試す場合は、少量から始めてみて、ご自身の体調に変化がないかを確認することをおすすめします。

2. 「守る」ケアも忘れずに

新しいコラーゲンを補うことと同時に、今あるコラーゲンを守ることも非常に重要です。

論文でも、コラーゲンを破壊する最大の要因の一つとして「紫外線」が挙げられています。

  • 日焼け止めを季節問わず塗る
  • 帽子や日傘を活用する
  • 日差しの強い時間帯の外出を工夫する

など、日々の紫外線対策を見直すことが、肌の健康を長期的に保つための最も確実な方法の一つと言えるでしょう。

3. ビタミンCも一緒に

コラーゲンは体内で合成される際、ビタミンCを必要とします。コラーゲンサプリメントを摂るだけでなく、普段の食事からビタミンCを意識して摂取することも大切です。

  • 果物: キウイ、柑橘類、いちご
  • 野菜: パプリカ、ブロッコリー、じゃがいも

これらの食品を日々の食事にバランス良く取り入れることで、体内のコラーゲン生成をサポートすることが期待できます。


読後感

今回の論文は、コラーゲンサプリメントの可能性と限界の両方を教えてくれました。

魔法の薬のように頼るのではなく、体の中と外からのケアを組み合わせ、長期的な視点で自分の肌と向き合うことの大切さを改めて感じます。

あなたの日々の生活で、肌のために今日から始められる小さな一歩は何でしょうか?